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【青トレ】青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ [買ったもの・欲しいもの]

自身のラン歴は2年半くらい。でも、陸上観戦ファン歴は筋金入りのわたし。
特に、母校である青山学院大学の選手が「学連選抜」で箱根を走るようになった頃からは、毎年の予選会(立川駐屯地)にも応援に出かけ(そして何度も泣き)、日体大だの世田谷だのの競技会にも応援に行く程度には、そこそこ「コア」なファンなのです。ですので、今年の箱根駅伝で母校が初優勝を飾ったときには、感無量でありました。

シードを連続してとれるようになってきてから、超高校級の選手も入学してくれるようになり、「いつかは」という予感めいた期待はありました。でも、応援目線で「今年は違う」と思ったのは、昨年の秋の競技会。トップ選手はもともとキレイなフォームの選手が多いのですが、たたき上げの選手たちやそこまでタイムがよくない選手たちまで、ぐっと腰が入ったキレイなフォームになっていて、「今年の夏合宿はきっと充実していたんだなあ、駅伝シーズン楽しみだなあ。」なんて思っていました。

それが、「中野ジェームス修一氏のコアトレ指導があったから」と知ったのは、そのもう少し後、各大学の夏合宿を取材したテレビ番組を見たときです。「コアトレ効果、すごいな」って思いました。

箱根出場校の陸上部ですから、これまでだって、体幹トレーニングはちゃんとやっていたと思うんです。もちろん、他大学だって。でも、今年の青学は明らかに違う。そう感じたのは、わたしの贔屓目ではなかったようです。

五区、神野大地選手。もともとガッツあふれる走りをする選手でしたが、さほど推進力を感じるフォームではありませんでした。それが、腕を大きく振って、まるで平地を走るように山を駆け上がっていきます。それに対する瀬古利彦さんのコメント。「あの腕の振り、すごいですね。彼、よっぽどウェイトトレーニング(=筋力トレーニング)してるんじゃないですかね。」

九区、藤川拓也選手(主将)。小柄ですが、上体の使い方がとても上手い選手です。15kmの給水後、もう画面は藤川選手の走りを写していないというのに、解説の碓井哲雄さん、「青山学院の選手は、みんな、藤川君だけじゃなくてね、フォーム自体がものすごくキレイですよ。しっかりと腰が通って。ほんっとに、全然ブレないし。」

その、解説陣をも唸らせた、青学陸上部のコアトレ。中野ジェームズ修一氏の指導で、選手たちと一緒に練習ができる本&DVDが発売されました! さっそく入手しましたので、レビューします。(前置きが長くてすみません。)


青トレ.jpg

全体を通しての「いいな」と思った点は、
・長距離走に特化したコアトレだけに厳選されている
・いつ、どのタイミングで、何の目的で行うのか、が明確に示されている
・どの部位を意識するのかが明確に示され、OK or NOTの見分け方がわかりやすい
……というあたり。

ミーハーコッコ的には、「どのページをめくっても青学の選手たちのポーズ写真だぞ、わーい! 神野君の腰、細っ!」みたいな狂喜乱舞ポイントもあるのですが、それは措いておきます(笑)。

コアトレの解説書は、わたし、長友選手のコアトレの本とか、筋肉部位から解説が入っている専門書なども持っているのですが、中野氏曰く、「ランニングに限らず、体幹を鍛えることはどの競技にも必要ですが、競技によって動かす筋肉が違うので、メニューは競技の専門性によって違います。同じ陸上競技でも、短距離と長距離では異なります。長距離のコアトレは、最初は動きが小さいので、連続写真を見比べても、どこが動いているのかわからないくらい。ここに力を入れる、という感覚が大事です。」とのこと。
コアトレ一般のことを知ることは、俯瞰でとらえる重要性とかクロストレーニングの有用性など、もちろん意味がありますが、競技の専門性という意味では、「やるべきメニューは競技で異なる」というお話には深く納得しました。


載っているコアトレの種類は、全49種類です。
それを、4種類にわけて掲載しています。
1)インナーユニットの強化
2)ストレッチ
3)筋弛緩法
4)セルフモビライゼーション

メインであるインナーユニットの強化は、3STEPです。前のSTEPが正しくできていないと、次のSTEPはうまくできない(効果が出ない)そうです。そういうわけで、「期分け」の考え方が導入されています。青学の長距離部員でも、基礎のマスターには数か月を要したそうです。わたしなんて一生かかってもできないんじゃ…(汗)。そう思って、DVDを見ながらやってみたのですが、案の定、基本中の基本である『四つん這い(ダイアゴナル)』からして、正しくできていませんでした。まだ8つめなんですが。先は長い……。

コアトレ1つずつの解説は、ポーズ写真と意識する部位、このあたりは他の解説書とあまり差がないのですが、「いいな」と思ったのは、どこで、「ちゃんとやれているか」を見分けるかという解説です。もちろんOK or NOTの写真つき。DVDだとさらに詳しいです。
紙面や画面のキャプチャをお見せしたいくらいですが、中身の写真を載せるのはNGだと思いますので頑張って文章で紹介します。

たとえば、コッコさんが正しくできていなかった、ダイアゴナル。人体の腰骨は、自然なS字カーブを描いているので、四つん這いになってからいったん大きく腰を反らせ、そこからしっかり腹横筋を寄せ、お尻の穴を締めて腰を押し上げていくと、背中に棒を乗せたときに腰のあたりに掌1枚分程度(2cmくらい)の隙間ができるのですが、これが基本の位置。
ここから、手足を動かしていくのですが、このとき、腰が反りすぎたり(拳が入るくらい反ってしまうのはNG)、逆に猫背になって棒に腰がくっついてしまってはNG。

正直、これまでは、ダイアゴナルをやるときに、そんなところまで意識していませんでした。青トレのマネをして、麺棒を腰の上に乗せてやってみましたが、わたし、腰を反らせすぎていて、腹横筋を使えていませんでした。
正しくやってみると、「腹横筋を意識して行う」というのがどういうことなのか、よくわかります。
STEP15がプランクですが、こっちはコーチにさんざん指導を受けたので、なんとか正しくできていましたが、コーチに見ていただいていなかったら、今でもダメ姿勢のままだったと思います。


ストレッチは、「走る前の準備運動として、肩甲骨の可動域を広げるために行うもの」「走った後に大臀筋のコリをほぐすために行うもの」などというように、シーン別に解説されています。「何の目的をもって、いつやるものか」という意識は、とても大事だと思いました。

DVDのほうでは、肩甲骨回しと腕振り練習、ニーアップや股関節回しが実演されていましたが、背後からの動画は、選手、上半身裸です。
ぐりんぐりんと動く肩甲骨の稼働域の広さに驚愕しました。一番寄ったときなんて、肩甲骨で紙が挟めますよ、これ。人の肩甲骨って、こんなに動くんだ…!!((((;゚Д゚)))))))


筋弛緩方法とセルフモビライゼーションは、どちらも「筋肉の緊張をほぐす目的で行うもの」とのこと。
筋弛緩方法は、レース前や入眠前に筋肉を脱力させるコツ。セルフモビライゼーションのほうは、関節を動かして細かい刺激を与えていくことで、筋肉のコリをほぐしていく方法が解説されていました。
DVDでは、足先をパタパタさせているだけなのに、その振動が首あたりまで伝わって、体が振動で震えているのがわかりました。故障が少ないことで有名な一色選手が実演していましたが、ちゃんとやれば、ここまで脱力できるんだと驚きました。わたしは、どこかによけいな力が入っているらしく、そんなふうにはできませんでした。

中野氏曰く、「疲労回復、ケガの防止のために、練習で緊張した筋肉を弛緩させることは非常に大事」なのだそうです。自分でできるコンディショニングの方法として、覚えておいて損はなさそうです。練習してコツをつかみたいと思います。

そのほか、監督と中野トレーナーの対談、選手インタビュー、原監督流:目標設定の立て方・本番で結果を出すための調整方法など、楽しく読めるコラムも満載でした。
これで1,400円というのは、なかなかお買い得だと思います、はい。

青トレ(徳間書店の紹介ページへのリンク)



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むーみん

うん、何よりもこのレビューを見て買おうと強く思いました(笑)

私の母校も最近、選抜で選手が出てて嬉しかったです。
ほとんど無名なのにそんな後輩もいるんだ~と。
コッコさんがハマる気持ちが少しだけ分かった気がします♪
by むーみん (2015-09-19 00:58) 

コッコ

>むーみんさん
ぜひ。おウチでできるものばかりですよ。どうせやるなら、正しく効果が出る方法でやりたいですもんね。
箱根を母校の選手を走っていると、応援にも熱が入りますよね。今年は東京工業大学の選手が、はじめて連合で箱根を走り、チームでは創価大学が初出場など、フレッシュなユニフォームもありましたね。
by コッコ (2015-09-19 12:23) 

madmad

コッコさんの記事見て発売日に買いました。

僕もまずはインナーユニット強化ですが、果たしてどんだけかかるのか…

ても続けていきたいと思います!

ご紹介有り難うございました!
by madmad (2015-09-19 20:13) 

コッコ

>madmadさん
サブ3.5達成、おめでとうございます!!
madmadさんの記事のほうにお祝いを入れるタイミングを逸してしまったので、ここでお祝いを言わせてください。
スピード練習を頑張られた成果がさっそく出ましたね。
コアトレを正しくやって、きちんとインナーユニットを鍛えられれば、内臓の揺れをおさえてくれるので、わたしたちの弱点である腹痛にも効くと思うんです。お互い頑張りましょう☆ わたしは1年計画かな…。
by コッコ (2015-09-19 20:49) 

らんしま

こんにちは。
紹介してくださってありがとうございます。
私も今日ようやく買ってきました。
体幹は固めて肩関節や股関節はぐんぐん動かす・・とても参考になります。じっくり実践して楽しもうとオモイマス!

by らんしま (2015-09-22 17:52) 

コッコ

>らんしまさん
一見簡単そうに見えますけど、正しくやろうと思ったら、コツを掴むのが難しいですよね。DVDが特にお役立ちだと思いました。
腹横筋がしっかりしてきたら、身体のブレも小さくなると思いますので、わたしも日々取り組んでコツを習得したいと思います。
by コッコ (2015-09-23 09:47) 

Parfait

初訪問です!
駒沢公園で時々ボッチランしております。

この本、本屋で立ち読みして《買わなくていいかな》と思ったのですが、コッコさんのレビューを見て《買わねば》と思いました笑

またボチボチ訪問させていただきます〜!
by Parfait (2015-09-29 16:20) 

コッコ

>Parfaitさん
こんにちは。ご訪問&コメント嬉しいです。しかも『青トレ』お買い上げ~。
確かに、本のほうは、他にランニング用のコアトレの本をお持ちでしたら、内容がかぶることも多いように思います。
疲労回復法とセットになっていることと、圧巻はやはりDVDのような気がします。ハーフ61分~62分一桁、10km28分台、5,000m13分台の学生トップランナーの実演なので、「正しくやると、ここまでできちゃうんだ。スゲェ……」というのがわかりやすいです。
わたし、(なんちゃってですが)2年ほどコアトレを続けてきましたが、まだSTEP1がクリアできません。ううっ。
by コッコ (2015-09-29 18:00) 

tassy

お初に失礼します。
自分も青学卒の市民ランナー、かつ0歳児の時から沿道観戦している箱根駅伝好き。
当然のごとく青トレも発売日に買いに行きました。
今まで体幹トレーニングをやるときはとにかく固めることしか意識してなかったんですけど、この本読むとちょっと考え方が変わりますね。
お互いにいつか青学の皆さんのように綺麗なフォームで走れるといいですね!

by tassy (2015-09-30 18:12) 

コッコ

>tassyさん
こんにちは、コメントありがとうございます! 同窓生ですね。嬉しいです。
わたしも、コアトレというと、腹直筋を意識してぎゅっと締めるイメージでやっていたのですが、この本を読むと違うみたいですよね。まずは基本姿勢の習得からということで、必ずドローインから入ることで、だいぶ変わってきたように(自分では)思います。
一色選手のフォームが好きなので、いつかあんなふうに、上下動も左右差もの少ないフォームで走れたらいいなと思っています。
by コッコ (2015-09-30 21:14) 

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