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【登山レポ・2】北岳 2日目 [登山]

だいぶ日があいてしまいましたが、登山レポ続きです。

8/8(日)

3:45起床。まだあたりは暗いですが、東の空は徐々に明るくなってきています。朝ご飯は4:30から予定でしたが、4:20には第一陣の朝食がスタートしました。肩ノ小屋の朝食は、交代制で早い者順です。この日の日の出は5:00頃だったので、一陣か二陣で食べればご来光に間に合うため、第一陣に滑りこめてラッキーでした。

わたしたちの隣に寝ていたグループは、ご来光を北岳山頂で迎えたらしく、3:00過ぎには起き出して出発していきました。起き出してトイレにいったとき、まだ真っ暗な北岳の稜線に、いくつものヘッドライトの明かりが登って行くのが見えました。

ご飯を食べ終え、テラスでご来光を待ちます。東の空も西の空も、なんともいえない色合いです。濃紺、薄いブルー、ピンク、そしてオレンジ。山の上でしか見られない、ショータイムのはじまりです。鳳凰三山や甲斐駒ケ岳などの近くの山は、紫色のシルエットの裾に雲を纏い、眼下には雲海。そこにぽっかりと浮かぶ富士、八ヶ岳、中央アルプスの峰々。遠くの方には、北アや浅間山などものぞめます。

朝焼けの富士470.jpg

刻々と空の色が移り変わり、徐々に星が消え、最後に金星と月だけが残る空と雲海との境界線に、黄金色に輝く点があらわれたかと思うと、それがどんどん輝度をあげてきました。ご来光です!
待ち構えていた登山者たちから歓声と拍手があがりました。365日、毎日必ずある、ただの日の出といえばそれまでなのですが、山の上からだと本当に神々しいのです。

ご来光470.jpg

ご来光を堪能し、出発の準備をします。北岳の山頂までは、登り50分、下り40分ほどですが、健脚ぞろいですし、空身なのでそれよりも早い往復となりました。
アタックザック(携帯用の小さいリュック)を出して、最低限の飲料や頂上で食べるおやつ、貴重品などを詰め、proceedさんに背負っていただきます。女性陣は空身(ザックなし)です。ここからは岩場が続くので、大きなリュックがないだけで重心の安定感が違います。

高所恐怖症のproさんは、崖を回り込むあたりがちょっとだけ怖かったそうですが、なんだかだんだん高度馴れしてきたような? なんにしても、これがいければ地図上に「危」マークがないルートなら、(一般登山道であれば)ほとんどの道がOKですよ。


午前5時50分、北岳(3,190m)登頂。皆さん、おめでとうございまーーーす!
健闘をたたえ合い、皆で記念写真した後は、たっぷりと山頂を堪能します。

山頂集合470.jpg

本日の北岳のお天気は快晴、360度の大展望です! 何回登っても、この景色はいいわあ~。今回の登山で見ていただきたかったもの、高山植物が最盛期より少し少なく、夕焼けが60点だった以外は、ほぼコンプリート! ライチョウとブロッケン現象は想定以上。そして、ハイライトの山頂からの景色は100点満点。本当によかったです。皆さんの日ごろの行いが良いせいですね。ホッと胸をなでおろしました。

山頂から富士をバックに470.jpg

間ノ岳や農鳥470.jpg

20分くらいは上にいたでしょうか。名残惜しかったですが、頂上を後にしました。岩場の下りでは、皆さんの足取りを見させていただきましたが、まったく危なげがなかったので安心しました。


小屋に戻り、お手洗いやら何やらを済ませ、7:10、下山を開始。昨日来たルートをサクサクと戻り、小太郎尾根分岐で、稜線に別れを告げて、斜面を下ります。

下山のルートは、草すべり経由白根御池小屋ルートを選択しました。理由はいくつかありましたが、まずは前提として、全部同じルートだと面白くないこと。時期や年によっては、夏でも大樺沢の雪渓が登山道をふさいでいることがあり、そうなると雪渓をくだりに使うことになるので、それは避けたかったですし。そうなると、沢沿いに登る大樺沢コースを登りに使い、草すべりを下りに使うほうがいいかなと。
また、こちらのコースだと、途中で白根御池小屋を通過するので、通過時刻によってはここで昼食や軽食をとることができるので、食料を担いで歩かなくてすむことなど。そして最大の理由は、草すべりを登りに使いたくなかったこと。日差しをさえぎるもののない急登で、実にキツイんですよ、これが。

そんなこんなで、登りだと地獄を見る草すべりですが、下りで使ったってキツイです。急な下りで脚がプルプルきます。コケても死ぬような場所ではないですが、みんなもれなく、1回くらいずつ滑って尻餅をつきました。コッコさんは木の階段のところでコケまして、階段を支える鉄の棒で腰を強打! 痛ったぁ~!!(><) 幸い、痣ですむような打撲ですみましたが、痛かったな~。今現在、きれいに棒の形に痣になっております。お見せできず残念です。

眼下に、白根御池とその周囲に張られた(キャンプ指定地の)テントが見えてきたときにはホッとしました。それが徐々に大きくなってきた頃……proさんが、「あれは、チャレさんでは!?」とおっしゃいます。「あの体格、そしてチャコールのシャツの胸に75Tのポイントが見えた気がする!」と。近づいてきたら、わたしにもそれが見えました。うわーーー、トレラン隊とここで邂逅できるとは! 事前に「僕らも同じ日程で、日帰りで縦走します」と聞いていたので、「会えるかな? どうかな?」って思っていたのですが。山の中で、見知った顔に出会えるって、本当に嬉しいものですね。

トレラン組と470.jpg

ハンサムネコさん、チャレさん、のべさん、そしてやっとお会いできた季節外れさん。軽装のトレランスタイルは、ハイカーだらけ(しかもこのルートはテント泊の重装備のハイカーが多い)の中、異彩を放っています(笑)。でも、さすがブログ村が誇るH●NT●Iたち、無事にとんでもない距離の縦走を果たされたそうです。わたしも行ったことのあるルートですけど……普通の登山者だったら2泊3日が基本、コッコさんは山では健脚の部類に入るのですが、それでも1泊2日で組むコースです。皆さん、彼らの山行を、コースタイムの参考にしちゃ絶対にダメですよ。

トレラン組行く470.jpg

白根御池小屋の手前で、嬉しい邂逅を果たし、草すべりの急登に挑んでいく雄姿を見送ったあとは、わたしたちは小屋で休憩です。ソフトクリームぅ~。ここのソフトクリーム、美味しいんですよね。1つ500円と高価ですけど。はーーー、幸せだ~。

さて、下りも残すところ、あと2時間ほど。しばらくは等高線にそってゆるいアップダウンを繰り返す道が続きますが、「白根御池小屋⇔広河原」の案内板から先は、また斜面が急になります。山行も最終盤、脚の疲れもピーク。脚に力が入れづらく、滑りやすくなってきますので、こまめに休憩をとって、ゆっくり慎重に進みます。
「もういい加減勘弁してほしい」と思った頃、ようやく、大樺沢コースとの分岐が見えてきました。あー、助かった。ここから先は傾斜もゆるみますし、広河原山荘までは20分ほどです。ゆるゆると歩き、10時50分、広河原山荘到着。皆さん本当にお疲れ様でした!

まずは荷物をピックアップし、少し歩いてバス停へ。帰りのバス、座れなかったらまた地獄ですから。
次の甲府行きのバスは12:45、切符を買って、「バス停にザックを置いて順番をキープしておいてください」との切符売り場の職員さんのアドバイスに従い、ザックを置いてから山荘へ戻ります。この判断をしたのは大正解で、帰りのバスは、立ちのお客さんも多数いました。登山で疲労した脚で2時間立ちっぱなし…。想像するだけで天を仰ぎたくなります。

山荘に戻り、バスの出発まで1時間以上あるので、ここで昼食。あああああ、またしても生ビールが染みわたるぅ~!! 朝ご飯が4:30だったので、お腹もすきました。がっつりカレーライス。カレーなんて何か月ぶりだろう…。「コッコさん、あなた小さいのに、どこにそんなに入るの?」と呆れられつつ、ビールを飲み干し、カレーも完食。今回の山、男性のプロさんは措いておいて、わたし、女性陣では一番ご飯を食べたと思います。たぶん、普段はそんなに大食漢じゃないと思うんですけど、山とか大会前とか、「ちゃんと食うべし!」というスイッチが入ると、胃袋が拡張するみたいです。

バスの中で、寝落ちして、窓ガラスにガンガン頭をぶつけつつ甲府駅に戻り、駅近くのホテルでお風呂。2日分の垢を洗い落とします。
その後、東京に戻るproさんとも合流し、皆で仲良く「かいじ」に乗って、帰郷してまいりました。


改めまして、proさん、すーぴーさん、mizoreさん、楽しい山行をご一緒させていただき、ありがとうございました!
またぜひ、今度は違う山にも行きましょう。
次は、やっぱり甲斐駒ケ岳ですかね。
北岳より難易度は下がりますので、「自分も山に興味ある…」という方がいらっしゃいましたら、ぜひご一緒しましょう。

【追記】
北沢峠に泊れれば、金曜日を休める方は、金曜入りして土曜日に仙丈ケ岳。土日のみのお休みの方は、土曜日から合流して日曜日に甲斐駒ケ岳と、割と調整もききやすいです。
あ、猛者たちは、黒戸尾根をいっちゃってくださいね。
さらにH●NT●Iを目指すなら、鳥倉登山口から入って、塩見岳経由で仙塩尾根を来てくださっても構いませんが(笑)。通常登山で行くなら、健脚な人なら、熊ノ平小屋(小さないい小屋ですよー! キャンプ地もきれいで)で1泊して早立ちすれば来られますかね。塩見岳は、西峰あたりがかなり急で浮石や脆い岩も多いですし、体を返さないと下れない岩場が連続します。また途中の三峰岳も、落ちたらケガではすまない切れた岩場が続く、緊張を強いられるルートです。伊那荒倉岳は偽ピークだらけで精神的にコンボを食らいますし、楽なルートではありませんが、山に行きなれている人にとっては楽しいルートだと思います。(初心者にはお勧めしません。)


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mizore

自然の中、急がないからこそ気付くことができる特別な時間を満喫させていたたけました。改めてありがとうございました。
コッコさんのブログ、山も陸上も料理もちりばめて、書籍化できるんじゃ?
すべてのカテゴリーで、今後トライしようとする人たちの参考になる情報が満載です。
ニーズアルと思いますよー。
あ、ガーデニングもぜひ今後加えてください(笑)。
甲斐駒、来年よろしくお願いします♪
by mizore (2015-08-16 07:43) 

季節外れ

草すべり
キツかったけど、花に囲まれて北アとは異なる絶景を楽しめました
花がなくなる頃にはパノラマと見所満載
皆さんにお会い出来たことで、登りは良いイメージばっか

一方間ノ岳より先はガスっちゃってテンションダダ下がりでしたが(笑)
by 季節外れ (2015-08-16 08:22) 

コッコ

>mizoreさん
トレイルランじゃない登山もなかなか良いでしょう~? 登山は、人間の頑張りなどというものは、自然の力に比べたらちっぽけなものだ、努力さえすれば何でもかなうなどというのは、人間の傲慢だということを教えてくれます。でもそれでも頑張った人にだけもらえるご褒美があるから、やめられないんですよね。
来年は、甲斐駒ケ岳をやりましょう~。北沢峠ルートや駒津峰からの直登ルートは、危険個所は少ないですので、体力があれば初心者でも挑戦できます。
黒戸尾根ルートは、ちょっと画像検索かけていただければわかる通り、高度感満載な、難易度の高い鎖や梯子が連続するので、登山経験者以外が突撃するのはたいへん危険です。H●NT●Iたち(※いちおう褒め言葉です)に誘われても絶対に行かないように。
by コッコ (2015-08-17 11:49) 

コッコ

>季節外れさん
南アルプスはでっかいですよね。急峻で男性的な山が多い北アルプスに比べて、太古の時代の土偶(女神像)のような、どっしりと大きい女性的な山が多い印象があります。どちらの魅力も甲乙つけがたいです。
レポ、拝見しました。間ノ岳から先はたいへんだったみたいですね。ご無事のご帰還、何よりです。
奈良田のくだり、わたしも行ったことがありますが、急だわ長いわで本当にキツイですよね。あ、わたしが行ったのはもちろん日帰りではなく、初日、間ノ岳から仙塩尾根にそれて熊ノ平小屋で一泊し、翌日巻き道(途中にいい水場があります)経由で農鳥に登り返して奈良田に下山というコースです。ルート的には王道ではありませんが、農鳥小屋に泊りたくなかったもので……(汗)。
by コッコ (2015-08-17 11:50) 

フランク翔太

はじめまして、フランク翔太といいます。

ブログ楽しく拝見させていただいています。
これから読ませていただきますね。
お互い頑張りましょう。

私もブログやっていますので、時間があったらのぞいてやってくださいね。
よろしくお願いします。
by フランク翔太 (2015-08-17 15:42) 

コッコ

>フランク翔太さん
コメントありがとうございます! ブログ拝見させていただいております。もちろん中断の前から…。
努力家で速いかたの参考になるような記事は書けないですが、「コッコみたいなのも頑張ってるんだから…」と、刺激のひとつにでもしてくださるととても嬉しいです。
あと、気が向いたら、練習方法や走りかたなど、ぜひアドバイスください。
今後ともよろしくお願いいたします。m(_ _)m
by コッコ (2015-08-17 17:04) 

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